世界一巨大なキリスト像【シフィエボジン/ポーランド】
ポーランド西部に位置する人口2万人程の町シフィエボジン(Świebodzin)には、世界一を誇るものがある。
それがこちら。
世界一高いキリスト像である。
何も無い田舎町に突如現れる巨大キリスト像。
キリスト像自体の高さは王冠を含めて36mだが、台座部分を含めると約52mになるという。
世界的に有名なリオデジャネイロのキリスト像より、こちらの像の方が3mほど高いとのことだが、王冠や台座などで少し盛っている気もする。
このキリスト像、足元まで歩いて登れるようになっている(入場料無料)。
では、キリストの足元から見える景色をご覧いただこう。
まずキリストの真正面から見えるのは、イギリス資本のスーパーTESCO。
ホームセンターや家電屋も隣接している。
左手には、実にポーランドらしい長寛な景色が広がっている。
裏手は廃材置き場か。隠す気もないのだろう、丸見えである。
左に見えるプレハブ小屋のような建物は、ちょっとした食堂。
小さなお土産屋もあり、キリスト教徒でなくても聖なるグッズが買えるが、数人も入ると身動きが取りづらいくらいには狭い。
また、数年前に「巡礼者の港(Przystań Pielgrzyma)」という、キリスト像を客室の窓から眺めることができるホテルも完成した。
夏場は、キリストの横には一面のとうもろこし。
正直言って、リオデジャネイロのキリスト像からの眺めとは、比べ物にならないくらいに地味な光景ではある。
ただ、天気の良い日は、真っ青な空にキリストの白さが眩しい。
まるでカルト映画のワンシーンのようだ。
ちなみに、この像の建設には、600万PLN(約1億7,000万円)という莫大な費用がかかったらしい(資金は、地元の実業家やカトリック教徒、アメリカ移民からのお布施で賄ったとか。「お金の無駄遣い」と非難する地元住民もいるそう)。
世界一高いキリスト像は、この教区の司祭の思い付きにより2001年から建設計画が始まり、2010年に完成した。
発案者の司教は2014年に亡くなったのだが、その際彼の心臓がキリスト像の台座付近に埋められたという。
確かに、わたしも墓石のようなものを見かけたが、まさかそこに心臓が埋まっているとは露知らず、特に気にもしなかった。
心臓は墓に埋められるべきであって、ここはふさわしい場所ではないということで、当時は物議をかもしたらしい。
ポーランドに来たら絶対に行くべき!という鉄板の観光スポットではないし、 わざわざこの像を見るためだけにシフィエボジンに来る日本人がいたら、よほどの物好きか敬虔なキリスト教徒かのどちらかだろう。
ただ、実際に外国人観光客もそこそこ訪れる場所であり、遠くから足を運ぶポーランド人もいるようだ。
そのうち、司教が牛耳っていた教会や、シフィエボジンの街の様子もお届けできたらと思います。
【行き方】
Świebodzin(シフィエボジン)駅から1.5km。徒歩でも行ける(南に20分ほど歩けば着く。像は巨大で遠くからも見えるので見失うことはないだろう)。
ポーランドの首都ワルシャワからシフィエボジンまでは、直通電車あり(所要時間:約5時間半)。
【場所】
Sulechowska, 66-200 Świebodzin
(最終訪問:2018年8月)