東欧マニアックガイド

これまで訪れた東欧圏のちょっとマニアックな場所を紹介しています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

チェコの地方都市と場末のライブハウス【ボフミーン、カルヴィナー/チェコ】

今回は2014年の古い思い出を引っ張り出してみようと思う。 かつて、わたしはFuriaというポーランドのブラックメタルバンドにドハマリしていた。 一度ハマると、それしか考えられなくなるたちなので、仕事を辞めて家を引き払って彼らのポーランド国内ツアーを…

リトアニアの巡礼地。おびただしい数の十字架が建つ丘【シャウレイ/リトアニア】

2015年のまだ寒い3月下旬、なんとなく気になっていたリトアニアを訪れた。 その頃、ポーランドで絶賛ニート中だったわたしは、少しだけ冒険をしたい気分になって、隣国まで足を運ぶことにしたのだ。 訪れたのは、首都のヴィリニュス、第二の都市カウナス、そ…

ナチグッズからソ連の品、さらにはガラクタまでもが並ぶ巨大蚤の市【キエフ/ウクライナ】

支離滅裂な品揃え、どこまでも果てしなく続く露店、線路ギリギリを歩く人々…… ただぶらぶらするだけでも楽しい場所、それがキエフの蚤の市。 キエフに行ったら、ぜひ訪れて欲しい場所のひとつである。 行くならば午前中に限る。 午後になると店じまいする店…

緑に浸食されたドイツ人墓地【チシェビエフフ/ポーランド】

このブログには度々、西ポーランドの誰も特に気にかけないような田舎の村が出てくる。 読者の皆さんの中には、「なんでわざわざこんなところへ……?」と思っている方もいるかもしれない。 別にこれといった理由などなく、それは単に、わたしが西ポーランドの…

さよなら、犬とおじさん【エルデネト/モンゴル】

2回連続で続いたモンゴル旅行記の続きです。 未読の方はまずはこちらをどうぞ。 maniaceasterneurope.hatenablog.com maniaceasterneurope.hatenablog.com 一人で入るにはちょっと勇気のいるこぢんまりとしたガチ食堂に連れてってくれたおじさん。 これがモ…

知らないおじさんと山頂でおまじないをする話【エルデネト/モンゴル】

前回のモンゴル旅行記の続きです。 未読の方はまずはこちらをどうぞ。 maniaceasterneurope.hatenablog.com 宿が確保できてほっと一安心したため、お腹は全く減っていなかったが、19時頃に夜のエルデネト散策へ。 旧共産圏らしい良い雰囲気の集合住宅。エル…

予約してったホテルがまるで廃墟だった件【エルデネト/モンゴル】

時は2013年にさかのぼる。 当時東京に住んでいたわたしは、年に一度の海外旅行を楽しみに、週7労働に耐え忍んでいた。 その年の秋、いつものように旧共産圏の香りが感じられる国を探し求めてわたしが訪れたのは、ポーランドでもウクライナでもロシアでもなく…

ウクライナの秘宝館?!世界の性文化の科学教育博物館【ハルキウ/ウクライナ】

ロシアの国境にほど近い、ウクライナ北東部の都市ハルキウ。 かつて、産業革命で栄華を誇り、現在は良質なブラックメタルバンドを輩出しまくっている、ウクライナで2番目に大きな都市である。 昨年、ハルキウを訪れるにあたり、Googleマップとにらめっこをし…

工業都市につくられた炭鉱労働者のための集合住宅【ニキショヴィエツ/ポーランド】

ポーランド南部のシロンスク県は、炭坑業が盛んなポーランドの工業都市である。 中でもニキショヴィエツ(Nikiszowiec)というカトヴィツェ近郊の街は、炭坑労働者のために作られた集合住宅で有名だ。 ニキショヴィエツの街は、1908年~1918年の間にドイツ人…

まるでソ連のテーマパーク!?社会主義建築の宝庫のような都市【ミンスク/ベラルーシ】

ロシアの左下、ウクライナの真上、ポーランドの右上に位置する国、ベラルーシ。 東欧圏に興味のない人にはあまり耳慣れない国かもしれないが、1994年から現在までずっと同じ人物が大統領として君臨していたり、ヨーロッパで唯一死刑制度が残っていたりと、ち…

謎のモニュメントだらけのアート公園【キエフ/ウクライナ】

キエフのとある地下鉄駅で、どの電車に乗るか迷っていた時、「何かお困りですか」と若い男子が声をかけてきた。 見た感じ、大学生くらいだろうか。 「〇〇に行きたいんですけど……」というと、彼は突然「じゃあ僕が案内するよ!」と元気いっぱいにガイドを申…

ルーン文字が刻まれた太古の巨石【ウェンゴヴォ/ポーランド】

ポーランド西部のスレフフ(Sulechów)から、ウェンゴヴォ(Łęgowo)という小さな村へ向かう途中に、うっそうと生い茂る森がある。 何の変哲もないどこにでもあるような風景なのだが、道路脇に何やら不自然な石が置かれている。 この石の横に、森の中にへと…

廃工場で開催されるウクライナ随一のメタルフェス【ハルキウ/ウクライナ】

今回の記事は、完全に筆者の趣味丸出しの内容である、ということを先にお断りしておく。 さて、ウクライナの北東部には、ハルキウ(ロシア語ではハリコフ)という都市がある。 日本人にはあまり馴染みがないが、ウクライナではキエフに次いで人口が多い都市…

ポーランド人民共和国の魅力を伝える共産博物館【ワルシャワ/ポーランド】

1989年までソ連の衛星国という立場にあり、共産主義国家だったポーランド。 ワルシャワには、そんな当時の人々の生活を垣間見ることができる博物館がある。 その名もCzar PRL(ポーランド人民共和国の魅力)。 場所はワルシャワ中心部。 KFCも入っている重厚…

チェーホフの小説から名前をとった精神病院バーПалата №6【キエフ/ウクライナ】

ロシアの作家、アントン・チェーホフの作品に『六号室(Палата №6)』という短編小説がある。 田舎の精神病院を舞台にした小説なのだが、ウクライナのキエフに、その小説から名前をとった「Палата №6」というバーがあると知った。 店内は精神病院をイメージ…

想像以上に広い、迷宮のような軍事博物館【キシナウ/モルドバ】

モルドバの首都キシナウは小さな都市だが、見ごたえ抜群の軍事博物館がある。 その博物館は、キシナウ市内の静かな通りにひっそりとたたずんでいた。 少し地味な入口。最初は気付かず通り過ぎてしまった。 入り口をくぐると、まず惜しみなく展示される野砲や…

ドイツ人がポーランドに残した廃教会【ラドシン/ポーランド】

ポーランド西部に位置する人口500人台の田舎村、ラドシン(Radoszyn)。 観光客がわざわざ訪れるような見どころは全くない、どこにでもあるような村だ。 その村に、1803年に建てられた福音派教会の廃墟がある。 青い空に映える廃教会は、人里離れた場所にポ…

笑顔のガイドさんが気になる。ギネスに登録されているトイレ歴史博物館【キエフ/ウクライナ】

ウクライナの首都キエフには、面白いスポットがたくさんある。 そのひとつが、トイレ歴史博物館(Музей історії туалету)。 そう、トイレ。便所の博物館である。 地下鉄Klovska駅で降り、緑に囲まれた坂道を登っていく。 坂の途中に、ソ連らしいレリーフが…

人里離れた場所に佇む、カルトなデコラティブ修道院【サハルナ/モルドバ】

皆さんはモルドバにどんなイメージがあるだろうか。 2000年代半ばに「恋のマイアヒ」で一世を風靡したグループ、O-zoneの出身地。 ウクライナと並ぶ欧州最貧国。 バンドロゴが毛細血管だの毛だの言われているブラックメタルバンドBasarabian Hillsが生まれた…

世界一巨大なキリスト像【シフィエボジン/ポーランド】

ポーランド西部に位置する人口2万人程の町シフィエボジン(Świebodzin)には、世界一を誇るものがある。 それがこちら。 世界一高いキリスト像である。 何も無い田舎町に突如現れる巨大キリスト像。 キリスト像自体の高さは王冠を含めて36mだが、台座部分を…