昔の暮らしを垣間見ることができる野外博物館【オフラ/ポーランド】
今回は、ポーランド西部の村にある、野外博物館を紹介しようと思う。
その博物館は、ジェロナ・グラから7キロほど離れた、オフラという地区にある。
17~19世紀の人々の生活を垣間見ることができる民族博物館だ。
入場料は訪れた2021年3月の現時点で10PLN。
コロナ禍の平日ということもあってか見学者はほぼいなかったが、駐車場は観光バスが停まれるくらいに広く、学校の遠足などでも利用されそうな場所だった。
まずは入り口付近の小さなオフィスでチケットを買う。
オフィスの近くに木彫刻エリアがあり、個性的な像たちがお出迎えしてくれる。
荒削りな死神。
4世紀のミラノの司教アンブロジウス(存じ上げなかったので普通にWikiった)。
物思いにふけるキリスト。
くたびれた様子のおっさん三人組。
彼らも聖人かもしれないけど、妙な哀愁を漂わせていてスルーできなかった。
さらに先に進むと、古い家々を見学できるエリアに入る。
この博物館に展示されている建物は、実際に使用されていたもので、全てポーランド西部の各地域からそのまま移されてきたものだそうだ。
この建物は17世紀のもので、天井がとても低い。
寝室の様子を見ただけでも、天井の低さが伝わるのではないだろうか。
なんというか、なかなかの圧迫感である。
こちらはキッチン。
ここはリビングだろうか。
ところで、わたしはなぜか勝手に、昔の家の天井が低いのは日本だけかと思っていた。
そして、天井が低い理由は、当時の人々の身長が現代人より低かったからだと思っていたのだが、部屋をすぐに暖めるためなどの理由もあったんだろうなぁ。
漆喰で固められた白い壁も良いが、木のままの壁もクラシカルな雰囲気で素敵。
が、ここで数軒の屋内に入ってみて、実際に住んだら寒そうだなぁと感じた。
家の向きなどもあるのだろうが、どうも、どの家屋も日が差し込まないような気がする。
単純に窓が小さい&少ないからだろうか?
特に今、自分はかなり陽当たりの良い南向きの物件に住んでいるので余計そう感じるのかもしれない……
とにかく、まだまだ寒い春先ということもあって、見学中は寒さが身に沁みた。
この博物館には約80もの建造物、1万を超える展示品が常設されているらしい。
……建物、80軒もあったかな?
ひとくちにポーランド西部とはいえ、家の作りなどは、地域によってそれぞれ違いがあるそうだ。
あと、この敷地内で普通に暮らしている住民がいるというのも面白い。
もしかしたらだけど、自転車を漕いでいたこのおじさんもここの住民なのではないかな。
古い井戸。
第二次世界大戦辺りが舞台の映画を観ていると、確かにこんな井戸が出てくる。
この建物が何だったかは忘れてしまったが、敷地内には学校(だった建物)もあった。
タワー式鳩小屋。
置物かと思いきや、実物だった羊。
藁ぶき屋根の建物は、ぱっと見、日本昔話の世界にも見える。
これは霊柩車だったはず。
敷地内では猫の姿も見かけた。
飼いならされていそう。
最後は、仏頂面のおばちゃん木像。
ところで、この博物館に行った時のことをツイートしたら、「映画『炎628』に出てきた民家にそっくり」と引用ツイートしてくださった方がいらした。
大変に不適切な感想ですが、映画「炎628」に出てきたベラルーシ民家に雰囲気とか間取りがそっくりで、「おお、あれはやはりリアルだったんだな」と思ってしまいました(すみません……)https://t.co/g5DpIDixZu
— 内田弘樹@冬コミ2日目東“ラ27a”「プロイェクト・オスト」 新刊3〜4種予定 (@uchidahiroki) 2021年3月3日
確かに、あの映画で主人公の男の子が住んでいた村の家も、木造で家の中がどことなく暗くてこんな作りだったなぁと頭を縦に振って納得。
民族博物館の写真でまさかの『炎628』を連想する方がいらっしゃるTwitterはやっぱり面白いな、と思いました。
【行き方】
ジェロナ・グラ(Zielona Góra)駅近くから出ている27A番、もしくは27B番のバスで約30分。最寄りのバス停は「Ochla Skansen(オフラ・スカンセン)」。
【ウェブサイト】
【場所】
(最終訪問:2021年3月)