緑に浸食されたドイツ人墓地【チシェビエフフ/ポーランド】
このブログには度々、西ポーランドの誰も特に気にかけないような田舎の村が出てくる。
読者の皆さんの中には、「なんでわざわざこんなところへ……?」と思っている方もいるかもしれない。
別にこれといった理由などなく、それは単に、わたしが西ポーランドの田舎に住んでいるからである。
もういい加減、気軽に行けないスポットばかり紹介されるのも飽き飽きしているかもしれないが、読者の皆さんの気持ちも考えずに、今回も田舎にあるスポットを紹介しようと思う。
今回紹介するのは村の廃墓地だ。
廃墓地探訪のために向かったのは、チシェビエフフ(Trzebiechów)という、ポーランド西部に位置する人口1000人ほどの小さな村。
この辺りは、かつてドイツの領土だったこともあり、ドイツ人が遺した建物も豊富に残っている。
以前紹介したこの教会もそうだ。
maniaceasterneurope.hatenablog.com
チシェビエフフは何もない静かな村。
そんな村の片隅に、ひっそりと廃墓地は佇んでいた。
残念ながらこの廃墓地の詳細はほぼ分からないのだが、福音派ということだけは分かった。
(ポーランドはカトリックが圧倒的に多いが、かつてこの辺りに居住していたドイツ人は福音派が多かった模様)
門(があったと思われるところ)から中へ入ると、すぐに数基の墓石が目に入る。
墓石にはドイツ語が刻まれていた。
さっぱり分からないのでGoogle翻訳で調べてみたが、「安らかに眠れ」的な文章だろうか?
今は誰も手入れすることなく、雑草に囲まれる墓石たち。
夏場なので緑が生い茂る状態になっているが、冬場はかなり荒涼とした景色になるらしい。
こちらは1893年に亡くなった方の墓石。
日本にも100年以上前のお墓はいくらでもあると思うのだが、今まであまり墓地の古さに想いを馳せたことが無かった。
この下に120年以上前に亡くなった人が埋葬されているんだ……と思うと、妙に不思議。
それにしても、緑に蝕まれていく廃墟を見ると、天空の城ラ〇ュタを思い出す。
わたしはなんだかんだ言って、ジ〇リではラピュ〇が一番好きだし、パ〇ーと〇ータが天空の城に到着するシーンで毎回泣く。
壁に掲げられている石碑に刻まれているのは、ここら辺の地主か何かの名前なのだろうか。
ところでこの村には、今はコミュニティセンターとして利用されている宮殿もあるのだが、その裏の荒れ果てた公園に謎の物体がある。
一体何のために作られたのかも分からない。
公園とは言ったものの、あまりにも手入れがされてなすぎるただの荒れ地で、草木がうっそうと生い茂っていた。
そして、この謎の物体の周りには、ウォッカの空き瓶やビール缶が転がっていたことは言うまでもない。
【行き方】
最寄りの町はスレフフ(Sulechów)。バスなども出ていないので、タクシーで行くか、車やバイクをお持ちの方は278号線を村に向かってまっすぐどうぞ。
【場所】
66-132 Trzebiechów
(最終訪問:2020年6月)