東欧マニアックガイド

これまで訪れた東欧圏のちょっとマニアックな場所を紹介しています。

どこまでも続くコンテナ。葬られた貨物列車【チェルビエンスク/ポーランド】

8月の天気の良い日、廃列車を見に行くことになった。

その廃列車は、田舎町の線路に長年放置されているらしい。

 

我が家からバイクで走ること数十分。

やってきたのは、チェルビエンスク(Czerwieńsk)という小さな町だ。

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チェルビエンスク駅から西に少し進んだところに廃列車が放置されているとか。

しかしこの線路自体、最初は廃線かと思ったけれど、まだ貨物列車の線路として使われているようだ。

 

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「こんなに草が生えてるのに、現役なの?」と思うが、意外とあるんだよな、こういう現役線路。

 

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8月の昼下がり。

電車はおろか人影すらなく静かだ。

 

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あそこに停まっているタンクも、おそらく現役。

 

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線路の反対側には、のどかな景色が広がっている。

野原にぽつんと立つ木が妙に絵になる。

 

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付近にはサイクリングコースがあり、自転車で通る人もちらほら。

ところで、ポーランドの田舎では、炎天下の中、上半身裸で自転車に乗るおじさんをたまに見かける。

一度、上半身ブラジャー1枚で自転車に乗るおばさんも見たことがある。

最初は驚いたが、今となっては夏の風物詩のひとつだと思っている。

 

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それにしても、線路に停車している列車は、古びてはいるけどまだまだ普通に使われていそうなものばかり。

一体どこに廃列車があるんだ?と疑いつつ、さらに先に進んでいくと……

 

あった。

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柔らかい青空の下に映える、鈍く錆びついた貨物列車。

サビたコンテナがどこまでも長く続いていた。

 

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ところどころ、扉が開いている。

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そっと中を覗いてみたら、酒瓶が落ちていた(ポーランドあるある)。

 

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誰も興味はないだろうが、少しチェルビエンスクのことについて書いておこう。

この町の始まりは1550年頃。

土地を所有していたローテンブルク家が、この辺りに狩猟小屋を建てたことにより、職人などが集まり、小さな集落ができた。

 

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町に線路が敷かれたのは1870年。

第二次世界大戦後に、チェルビエンスクはポーランド編入された。

編入後に最初に町に移住してきたのは、ヴィエルコポルスカ県(県都ポズナン)出身の鉄道関係者、ウクライナリトアニアなどのソ連圏からの送還者だったそうだ。

 

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現在は、約4000人が住む町として機能している。

オドラ川にも程近く、ワイン生産で知られ、毎年ワイン祭りも開催されるジェロナ・グラ(Zielona Góra)まで、車で20分ほどの場所に位置する。

 

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ちなみにこちらが、チェルビエンスク駅。

 

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駅舎も古そうだ。

1870年に線路が開通したということは、この駅舎も19世紀に建てられたのだろうか。

ホームを覗いたら、おじさん二人がベンチに座って酒を飲んでいた。

ポーランドは公共の場での飲酒は禁止されています。見つかると罰金100PLNの刑)

 

 

【行き方】

チェルビエンスク駅までは、ジェロナ・グラから電車で20分。紹介しておいてなんですが、廃貨物列車付近はひとけがなくて危なっかしく、何かあっても責任取れないので詳しい場所を紹介するのはやめておきますね。

【場所】

Boczna, 66-016 Czerwieńsk

 

(最終訪問:2020年8月)