ドイツ人がポーランドに残した廃教会【ラドシン/ポーランド】
ポーランド西部に位置する人口500人台の田舎村、ラドシン(Radoszyn)。
観光客がわざわざ訪れるような見どころは全くない、どこにでもあるような村だ。
その村に、1803年に建てられた福音派教会の廃墟がある。
青い空に映える廃教会は、人里離れた場所にポツンと佇むわけでもなく、村の真ん中に堂々と建っていた。
入り口の前には立て看板。「警告!建物に崩壊の恐れがあるため立ち入り禁止」
窓は枠組みを残しただけの状態だが、入り口のドアは今もかたく閉ざされたまま。
中に入りたい気持ちはやまやまだが、フェンスや塀に囲まれており、内部見学は難しそうだ。
窓から中をのぞく。天井の一部が崩落しているのが見える。
教会の隣は、道路。人目に付く場所なので、怪しまれるような行動はやめておく。
建物内も植物に蝕まれていた。
外側にも草木が生い茂り、屋根を突き破るかのように植物が生えている。
教会が建てられた1804年、この地域はプロイセン王国の領土だった。
1945年の第二次世界大戦の終結とともに、この村に住んでいたドイツ人たちは村から出ていく。
この教会は福音派、いわゆるキリスト教のプロテスタントのひとつである。
ドイツではカトリックと並ぶほど信仰者がいる宗派だ。
ドイツ人が去った後、カトリックが主流のポーランドでは福音派教会に通う人が減り、いつの間にかこうして廃墟と化したのだろう。
この教会の隣には、15世紀に建てられ、今なお現役で活躍しているカトリック教会も建っている。
こちらの教会は、16世紀から17世紀には一時プロテスタント教会として機能していたようだが、1654年にまたカトリック教会に戻った(写真が無くてごめんなさい)。
【行き方】
どこから行くにしても、車かバイクが必要。以前紹介したキリスト像のあるシフィエボジンから10kmほど南下した場所にある。
【場所】
DW276 18, 66-213 Radoszyn ポーランド
(最終訪問:2019年6月)