エルデネト最後の朝、雪にかすむ旧共産圏モニュメント【エルデネト/モンゴル】
不思議なロシア人おじさんと過ごした一日が好評を博した(?)モンゴルのエルデネト滞在記。
こちらが最終章、というかおまけになります。
今までのエルデネト旅行記をまだ読んでいないという方は、まずはこちらをどうぞ。
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2013年10月13日(土)
6:30起床。
鏡を見ると泣きはらした目の痛ましい姿がそこにあった(笑)
しかしカーテンを開けると一面の雪景色。
一気にテンションが上がる。
窓を開けて雪を触ってみるとすごくふわふわ。
さて、最後のエルデネト観光に行くか!と気合を入れて外出した。
しかしとてつもなく寒い。
目の前に広がる共産圏的景色に、当時ハマっていたポーランド映画界の巨匠キェシロフスキの作品を思い出して大興奮。
雪をかぶりながら元気に散歩する犬。
このテのよく分からないSFっぽいモニュメントが大好き。
昨日おじさんの車の中から何度も見て気になっていた遊園地。
フェンスの絵が最高にツボだった。
どれもこれも、いちいち何かがおかしい。
園の門は閉ざされていたので、夏季以外は休園しているのかもしれない。
確かにこんなボサボサに雪が降っていたら遊具も動かせない。
地球の歩き方に写真だけ載っていたモニュメント。
これも実際に見てみたかったし、寒々しい景色にマッチしまくっていて素晴らしい。
道路も雪だらけ。
昨日まではひとかけらも雪なんてなかったのに。
朝早くから買い出しに来てた現地の人たち。
男性たちはモンゴルの民族衣装を着ている。
車がスリップしたらとりあえず手で押すらしい(笑)
意外にも散策が楽しくてのんびり歩きまわってしまった。
もう時間があまりないことに気付いて、急いでホテルに戻り、9:30にホテルをチェックアウト。
ホテル前の階段が凍結しておそろしく滑るもんだから、スーツケース片手にそろそろ歩いてたら、小太りの陽気なお兄さんが手伝ってくれた。
そして親切にも、バスターミナルまで車で送ってってくれる。
歩いても200メートルくらいないのだが。
彼は韓国系の会社を経営してるらしく、英語もぺらぺら。
朝から酒飲んでんの?というくらいハイテンションで面白い。
「え!?バスでウランバートルまで行くの!?こんな雪積もってんのに!?知ってるか?モンゴルのバスはまだまだ夏用のタイヤなんだぜ!あー、君の幸運を祈るよ」と、胸で十字を切るお兄さん(笑)
「そうなんだ……今日がわたしの命日かもね……」と言うと、「冗談だよ!だいじょぶだいじょぶ!」と無責任に発言撤回(笑)
陽気なお兄さんに別れを告げて、チケット売り場に入ったのは9:40。
狭いチケット売り場にはすでに人がいっぱい。
なんだか嫌な予感がする……
窓口は2つあるのに、開いているのは1つだけ。
後ろにいる従業員はのんびりお茶飲んでいる。
(ポーランドでもこんな光景はあちこちで見るな……)
そして、嫌な予感は的中。
ウランバートル行きのチケットは買えなかった。
英語は全く通じなかったが、雰囲気から察するに、もう10時の便は売り切れたようだ。
外に行け、的なことをぶっきらぼうに言われる。
じゃあ13時の便は?と尋ねるも、外に行けよ、と。
毎度恒例のパニックに陥るあたし。
そして、隅っこで泣き始める(笑)
すると、従業員らしきお兄さんが窓口から出てきて、「大丈夫だよ。僕が手伝うから」と、わたしのスーツケースを引いてバス乗り場に案内してくれた。
彼は気を遣ってか、日本語で「ニホンジンデスカ?」と聞いてくれる。
10人乗りくらいのバンにわたしのスーツケースを乗せて「これもウランバートルに行くからね。これでもいい?」と最後まで親切だった。
値段は大型バスと同じ15,000T(約900円)。
隣の席のおばさんが、わたしがまだ完全に泣きやまずに鼻水をすすってるのを、風邪か何かと思ったらしく、見かねて鼻の下に塗る薬をトイレットペーパーの切れ端にくっつけて渡してくれた(笑)
「ほら、こうやって塗るのよ。鼻の穴にも塗って!」と実践してくれる彼女。
この鼻水は泣き止めばとまる話なんだけどな……と思いつつも、おばさんの親切心をむげにするわけにもいかず、何も悪くない鼻の下にひりひりする薬を塗りたくったのだった。
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こんな泣いたり笑ったりする旅、最後にしたのはいつだろう。
少しだけ昔の無鉄砲さを懐かしく思う。
さて、これでモンゴルのエルデネト旅行記はおしまいです。
このシリーズを読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
そのうち、モンゴルの首都ウランバートルの様子もまとめる予定なので、興味のある方はぜひ引き続きチェックしていただけると幸いです。
(最終訪問:2013年10月)